专利摘要:

公开号:WO1992012271A1
申请号:PCT/JP1991/001802
申请日:1991-12-27
公开日:1992-07-23
发明作者:Masaru Sagiyama;Masaki Abe;Junichi Inagaki;Akira Hiraya;Masaya Morita
申请人:Nkk Corporation;
IPC主号:C23C2-00
专利说明:
[0001] 明細書 プ レ ス成形性および耐パ ゥ ダ リ ン グ性の優 れた合金化溶融亜鉛めつ き鋼板の製造方法 技術分野
[0002] こ の発明は、 自 動車の車体、 足回 リ 部品等に用 い られ る合金化溶融亜鉛めつ き鋼板、 特にプ レ ス成形時に要求 される耐パ ウ ダ リ ング性に優れ、 しかも摩擦特性が コ ィ ル内で安定 した合金化溶融亜鉛めつ き鋼板の製造方法に 関する。 背景技術
[0003] 合金化溶融亜鉛めつ き鋼板は優れた塗装後耐食性や溶 接性を有する ため、 自 動車用防鐯鋼板 と してそ の需要が 近年増加 してぉ リ 、 特に最近では、 耐食性を確保する た め皮膜が厚 目 付化する傾向にある。
[0004] こ の種 のめっ き鋼板には、 優れたプ レ ス成形性 と プ レ ス成形時の耐皮膜剥離性、 所謂耐パ ゥ ダ リ ン グ性が要求 される。 特に最近ではこれ ら について よ リ 厳 しい性能が 求め られ、 と リ わけ上記の よ う な皮膜の厚 目 付化に伴い 耐パ ゥ ダ リ ング性の確保が大き な課題 と な リ つつあ る。 9
[0005] こ の よ う な耐パ ゥダ リ ング性を改善する技術と して、 めっ き鋼板を急速加熱で 1 次加熱 して皮膜の一部を合金 化させた後、 バ ッチ焼鈍で 2 次加熱を行 う と い う 技術が 知 られている が、 こ の方法は耐パ ゥダ リ ング性の改善に は有効である も の の、 製造コ ス ト が高い と い う 欠点があ る。
[0006] —方、 ィ ンライ ンにおいて耐パ ゥダ リ ング性を改善す る技術と して、 特開平 1 一 2 7 9 7 3 8 号公報では、 A 1 : 0 . 0 4 〜 0 . 1 2 % の浴でめっ き を施 した後、 2 秒以下で 4 7 0 で以上の温度へ急速加熱 し、 合金化完了 後、 4 2 0 で以下の温度まで 2秒以下で急速冷却すこ と によ リ 、 相主体の合金化溶融亜鉛めつ き銅板を製造 する方法が示されている。
[0007] しか し、 こ の方法では比較的高温で合金化処理がな ざ れるため、 合金化の進行が速く 、 Γ相が厚く 成長 して耐 パゥダ リ ング性が劣化し易い と レ、 う 問題がある。 この点、 特開平 1 一 2 7 9 7 3 8 号公報には過合金化を防止する ために合金完了温度域から 4 2 0 °C以下の温度域までを 2秒以下で急速冷却する と している が、 目 付量やライ ン ス ピ— ドの変化によ リ 適正合金化パタ ー ンが変化する た め、 こ の方法を実施する ためには、 加熱源および冷却源 をライ ン方向で多段に配置 して対処する必要がぁ リ 、 設 備コ ス 卜 が増大する と レヽ ぅ 大き な問題がある。
[0008] さ ら に、 通常用い られている ガス直火加熱方式の合金 化炉では鋼板幅方向およ び長 さ方向で炉温の変動が起 リ やすいため、 上述 した よ う な皮膜構造の厳密な制御は困 難でぁ リ 、 得られる めっ き皮膜は部分的に過合金或いは ζ 相が残留 した も の と なっ て しま う 。 したがっ て、 得 ら れる めっ き鋼板は場所によ っ て δ !相の量が不均一な、 すなわち、 耐パ ウ ダ リ ング性が不均一な もの と なっ て し ま う 。 また、 ζ 相の量は摩擦特性と 密接に関係 している ため、 ζ 相が残留する と その部分の摩擦係数が局部的に 増大する ためプ レ ス成形性も不安定 と なる。 発明の開示
[0009] 以上の よ う な従来の問題に対 し、 本発明者 ら は、 まず 溶融亜鉛めつ き鋼板の合金化反応に関 して検討を行い、 その結果、
[0010] ( 1 ) ζ 相は 4 9 5 ¾以下の反応に よ リ 発生 し、 それ以 上では発生 しない こ と 、
[0011] ( 2 ) したがって、 4 9 5 でを超え る温度で主要な反応 (溶融亜鉛相がな く なる ま での反応) を起 し、 その 後冷却すれば、 相主体の皮膜を形成する こ と が でき る こ と 、 が明 らかと なっ た。 図 1 、 図 2 は溶融亜鉛めつ き銅板の 4 5 0 で、 5 0 0 ^での恒温合金化反応によ る相変化の 一例を示すも の で、 4 5 0 での合金化では ζ 相が発生 する のに対し、 5 0 0 での合金化では ζ 相はほ と んど 発生せず、 S i相主体の皮膜と なっ ている。
[0012] し力 し、 上述 したよ う に この よ う な比較的高温で合金 化する方法ではめつ き皮膜が過合金化 し易 く 、 耐パ ウダ リ ング性が劣化し易い。 さ ら に、 通常の直火加熱方式の 合金化炉を用いて上記条件で合金化する と 、 経時的、 場 所的に均一に燃焼させる こ と が難し く 、 焼き ム ラ が発生 し易い。 そ して、 こ の よ う な焼き ム ラ にょ リ 不均一な合 金層が形成されて しまい、 鋼板の位置によ って耐パウダ リ ング性や摩擦特性等が異なる不均質な製品 しか得られ ない。
[0013] このよ う なこ と 力ゝら、 耐パ ウダ リ ング性と プ レス成形 性の両者を安定的に得る方法について検討を重ねた結果、 以下のよ う な知見を得た。
[0014] ① めっ き浴中で合金化反応 ( ζ 相の生成) を抑制 し、 しかもその後の合金化処理を高周波誘導加熱方式の 加熱炉を用いて行な う こ と によ リ 、 ス ト リ ッ プの幅 方向、 長手方向で均一に δ i相を主体とする合金化相 が形成された皮膜が得られる こ と 、 ② ま た、 こ の よ う に して得 られる合金化めつ き皮膜 は、 上述 したよ う なマ ク ロ 的な均一性のみな らず、 ミ ク ロ 的に も合金化反応が均一に起き るため、 こ の 面か ら も優れた耐パ ゥ ダ リ ン グ性と プ レス成形性が 得 られる こ と 、
[0015] ③ 浴条件 と 高周波誘導加熱方式の加熱炉出側板温条 件を規定する こ と に よ リ 、 厳密な皮膜の制御が可能 である こ と 、
[0016] 具体的には、 低 A 1 浴で且つ浴中 A 1 量 と の関 係で規定される低 目 の侵入板温でめっ き を施すこ と に よ リ 、 浴中での合金化反応 ( ζ 相の発生) を適切 に抑え る こ と が可能でぁ リ 、 さ ら に、 こ の よ う なめ つ き鋼板に対する高周波誘導加熱方式の加熱炉を用 いた合金化処理を、 加熱炉出側での板温を 4 9 δ 超〜 5 2 0 "Cに管理 して行 う こ と に よ リ 、 上記①、 ②で述べた よ う な皮膜が得 られる こ と 、
[0017] ④ 上記の よ う に して合金化 されためっ き皮膜に F e 系の上層めつ き を施すこ と に よ リ 、 少ない付着量で 良好な塗装適合性が得 られる こ と 、
[0018] 本発明は こ の よ う な知見に基づき な された も の で、 そ の構成は以下の通 リ である。
[0019] ( 1 ) A 1 を含有 し、 残部 Z n およ び不可避的不純物か ら なる亜鉛めつ き浴でめっ き を施 した後、 目 付量調 整を行い、 加熱炉で皮膜中の F e 含有量が 8 〜 1 2 % と なる よ う に合金化処理を行 う 合金化溶融亜鉛め つ き銅板の製造方法において、 浴中 A 1 量 : 0 . 0 5 %以上、 0 . 1 3 %未満、 浴温度 : 4 6 0 で以下 で、 且つ、 浴中 A 1 量と鋼板のめっ き浴中への侵入 板温と が、
[0020] 437.5 X 〔A 1 %〕 +428 >T≥437.5X 〔Α 1 %〕 +408
[0021] 但し、 〔Α 1 %〕 :浴中 A l量 (%)
[0022] T :侵入板温 ( )
[0023] を満足する条件でめっ き を行 う こ と によ リ 、 浴中で F e — Ζ η合金化反応を抑制 し、 めっ き後、 高周波 誘導加熱炉で加熱炉出側の板温が 4 9 5 ¾超〜 5 2 0 C と なる よ う に加熱し、 所定時間保持後冷却する こ と を特徴とする プ レス成形性および耐パゥダ リ ン グ性の優れた合金化溶融亜鉛めつ き鋼板の製造方法。 (2) A 1 を含有 し、 残部 Z n および不可避的不純物か ら なる亜鉛めつ き浴でめっ き を施 した後、 目 付量調 整を行い、 加熱炉で皮膜中の F e 含有量が 8 ~ 1 2 % と なる よ う に合金化処理を行 う 合金化溶融亜鉛め つ き鋼板の製造方法において、 浴中 A 1 量 : 0 . 0 5 %以上、 0 . 1 3 %未満、 浴温度 : 4 6 0 ¾以下 で、 且つ、 浴中 A 1 量 と 鋼板のめっ き浴中への侵入 板温と が、
[0024] 437.5 X 〔A 1 %〕 + 428 >T≥ 437.5 X [A 1 %] +408 但し、 〔A 1 %〕 :浴中 A 1量 (%)
[0025] T :侵入板温 (^)
[0026] を満足する条件でめっ き を行 う こ と に よ リ 、 浴中で F e — Ζ η 合金化反応を抑制 し、 めっ き後、 高周波 誘導加熱炉で加熱炉出側の板温が 4 9 5 °0超〜 5 2 0 と なる よ う に加熱 し、 所定時間保持後冷却 し、 次いで、 上層めつ き と して F e 含有量が 5 0 %以上 の F e 系めつ き を 2 g Z m 2以上施すこ と を特徴 と する プ レス成形性お よ び耐パ ゥ ダ リ ング性の優れた 合金化溶融亜鉛めつ き鋼板の製造方法。 図面の簡単な説明
[0027] 第 1 図は溶融亜鉛めつ き鋼板の 4 5 0 °Cでの恒温合金 化反応に よ る相変化の一例を示す も のであ る。
[0028] 第 2 図は溶融亜鉛めつ き鋼板の 5 0 0 °C での恒温合金 化反応に よ る相変化の一例を示す も のであ る。 発明の詳細な説明
[0029] 従来、 めっ き鋼板の合金化処理を高周波誘導加熱に よ リ 行 う と い う 技術は、 例えば、 特公昭 6 0 - 8 2 8 9 号 公報、 特開平 2 — 3 7 4 2 5 号公報等において知 られて いる。 しかし、 これら に開示された技術は、 高周波誘導 加熱を単に急速加熱の一手段と して用いている に.過ぎな い
[0030] これに対して本癸明は、 浴中での合金化反応を極力抑 制 し、 且つこの よ う に合金化が抑制 されためつ き皮膜に 対し、 高周波誘導加熱に よ る合金化処理を特定の条件で 実施する こ と によ リ 、 Γ相が少な く 、 且つ銅板各部にお いて 相を主体とする合金化相が均一に形成され、 し かも皮膜構造の ミ ク ロ 的な均一性によ っ て全体と して優 れた耐パウダリ ング性を有 し、 さ らにプ レ ス成形性に も 優れためつ き銷板が得られる こ と を見出 した も のである。
[0031] 本発明の製造法において、 上述の よ う な優れた特性の めっ き鋼板が得られる のは次の よ う な理由 によ る もの と 推定される。
[0032] まず、 第 1 に、 合金化処理において高周波誘導加熱方 式を用いる こ と によ リ 、 鋼板自 体を直接加熱する こ と が でき 、 しかも、 めっ き皮膜に接する界面が最も加熱され るため、 雰囲気加熱方式に較べ界面における F e 一 Z n 反応が短時間で しかもス ト リ ッ プ上の位置に無関係に均 一に起き 、 こ のため、 銅板上での部分的な過合金や ζ 相 の残留がな く 、 均一な耐パ ゥ ダ リ ン グ性 と プ レ ス成形性 が得 られる もの と推定される。
[0033] 第 2 に、 高周波誘導加熱は上記の よ う に鋼板側か らの 加熱である ため、 微視的に も均一な合金化反応が生 じる こ と に よ る もの と推定される。 すなわち、 従来一般に行 われている ガス加熱に よ る合金化処理では、 皮膜の外側 から熱が加え られる ため加熱が不均一 と な リ 易 く 、 こ の ため合金化反応が微視的に不均一に生 じ易い。 特に結晶 粒界は反応性に富むため、 所謂ァ ゥ ト バース ト反応が生 じ易 く 、 こ の よ う にア ウ トバース ト組織が発生する と 、 こ の部分から Γ相が成長 し始め、 こ の Γ相の形成に よ リ 耐パ ウ ダ リ ング性が劣化する。 これに対 し、 高周波誘導 加熱は鋼板側か らの加熱であるため、 上記の よ う な合金 化の局部的なバラツキが少な く 、 また、 鋼板面の酸化物 や浴中で生 じた合金化抑制物質 ( F e 2 A l 5 ) も容易に 拡散する ため、 ミ ク ロ 的に も均一な合金化皮膜が得 られ る も の と 思われる。
[0034] 第 3 に、 高周波誘導加熱はめつ き を短時間で合金化で き る こ と カゝ ら Γ相の成長時間が短い こ と が挙げ られる。 そ して、 本発明では浴中での Γ相の発生も抑え られる た め、 最終的な Γ相の形成量が少な く 、 こ の こ と も耐パ ゥ ダ リ ング性の向上に大き く 寄与 している も の と 考え られ る。
[0035] 第 4 に、 高周波誘導加熟の利点 と して、 銷板幅方向、 長 さ方向で均一な加熱が可能である ため、 加熱炉出側で の厳密な板温管理が可能でぁ リ 、 また、 ガス炉等の雰囲 気加熱方式と は異な リ 、 加熱された雰囲気ガス の上昇
[0036] ( ドラ フ ト効果) がないため、 特殊な冷却を しな く て も 過合金が起 リ 難いこ と によ る も の と 考え られる。
[0037] 以下、 本癸明の構成と その限定理由について説明する, 本発明では、 めっ き浴中での合金化反応を棰カ抑制す る ため、 めっ き浴中の A 1 量、 めっ き浴に侵入する際の 鋼板の板温及び浴温度が規定される。 特に、 本発明では 低 A 1 浴で且つ浴中 A 1 量と の関係で規定される低目 の 侵入板温とする こ と によ リ 、 めっ き浴中での合金化反応 を抑制する こ と が特徴の 1 つである。
[0038] めっ き浴中での合金化反応 ( ζ 相の生成) を抑える に は、 低 A 1 浴中において低い侵入板温でめっ きする こ と が必要である が、 A 1 量力 S 0 . 0 5 %未満では、 F e 2 A 1 5によ る合金化抑制効果がないため、 浴中でァ ゥ ト パ一ス ト反応が-生 じ、 耐パウ ダ リ ング性が劣化する。 こ のため浴中の A 1 量は 0 . 0 5 %以上とする。 一方、 A 1 量が 0 . 1 3 %以上では、 浴中で F e — Z n 合金化反 応が過度に抑制 される ため、 後の合金化処理において急 激な合金化反応を生 じ させる必要がぁ リ 、 こ の よ う な急 激な合金反応は耐パ ゥ ダ リ ング性を劣化させる。 こ のた め浴中の A 1 量は 0 . 1 3 %未満 と する。
[0039] 侵入板温は浴中 A 1 量 と の関係で下記関係式の条件を 満足する必要がある。
[0040] 437.5 X CA 1 %] + 428 > T≥ 437.5 X 〔A 1 %〕 +408
[0041] 但し、 〔A 1 %〕 :浴中 A 1量 (%)
[0042] T :侵入板温 (t )
[0043] 侵入板温が浴中 A 1 量 と の関係で上記上限を超える'と 、 浴中での合金化反応が生 じて ζ 相が形成 され、 最終的に 本発明の 目 的 と する S i相を主体 と した合金化相が得 ら れない。 一方、 侵入板温が上記下限を下回る と F e 2 A 1 5が不均一に生成 される よ う にな リ 、 局部的な合金化 反応を生 じる ため耐パ ゥ ダ リ ン グ性が劣化 して しま う 。
[0044] めっ き浴温度が高い と 浴中におけ る合金化反応が促進 される ため、 本発明では浴温度を 4 6 0 ¾以下 と する。 ま た、 浴温度が高過ぎる と 浴中に浸漬 された構造物が侵 食 され、 ド ロ ス が発生する な どの問題を生 じ る。
[0045] めっ き された鋼板は、 高周波誘導加熱炉において合金 化のために加熱処理 される。 本発明では、 上記の よ う な 浴条件の規定に加え、 こ の高周波誘導加熱炉に よ る加熱 処理が大き な特徴でぁ リ 、 上述 した よ う に通常行なわれ ているガス加熱では、 本発明の 目 的 とする合金化めつ き 皮膜は全く 得られな'い。 こ の合金化処理では、 炉出側の 板温が 4 9 5 ¾超〜 5 2 0 で と なる よ う に加熱 し、 所定 時間保持後冷却する。 上述 したよ う に S i相を形成させ るためには 4 9 5 を超える温度での加熱が必要でぁ リ 、 浴中での合金化が抑制 されためつ き をこ こ で合金化 し、 相を主体と した合金相を形成させる。 しか し、 5 2 0 でを超える加熱温度では Γ相が形成され、 耐パ ゥダ リ ング性が劣化するため、 加熱温度の上限は 5 2 0 ¾ とす る。 本発明において高周波誘導加熱炉出側の板温を管理 する理由は、 その部分が合金化熱サイ クルでの最高板温 と なるためである。 また、 合金相の成長速度はこ の付近 で最大 と なる ため、 出側板温を管理する こ と によ リ 、 そ の温度での合金化反応を起すこ と が可能になる。
[0046] 本発明は皮膜中の F e 含有量が 8 〜 1 2 %の合金化溶 融亜鉛めつ き鋼板の製造を 目 的 と している。 皮膜中の F e 含有量が 1 2 %を超える と 、 皮膜が硬質にな リ 、 耐パ ゥダ リ ング性が劣化する。 高周波誘導加熱炉出側以降合 金化を進める と 固体内拡散反応によ リ 皮膜中の F e 含有 量が上昇 して しま う 。 一方、 F e 含有量が 8 %未満では、 相 (純亜鉛相) が表面に残留するため、 プ レス成形時 に焼付け ( フ レーキング) と 呼ばれる現象が起 リ 好ま し く ない。
[0047] 従来では、 皮膜中の F e 含有量に ょ リ 皮膜構造が一義 的に決ま る と 考え られていたが、 本発明の よ う に浴条件 を適当 に選択 し、 しかも合金化処理を高周波誘導加熱で 行 う こ と に よ リ 、 皮膜中の F e 含有量にかかわ らず、 本 発明が 目 的 と する よ う な特定の皮膜構造が得 られる。
[0048] こ の よ う に して得 られる合金化めつ き皮膜は、 表層側 から均一な 相およ び極 く 薄い Γ相が存在する構造 と なる。
[0049] 以上の よ う な合金化処理後、 塗装適合性を改善する た めに、 上層めつ き と して F e 含有量が 5 0 %以上の F e 系めつ き を 2 g Z m 2以上施すこ と ができ る。 合金化溶 融亜鉛めつ き鋼板は電着塗装時に ク レ ー タ リ ング と 呼ば れる欠陥が発生 し易 く 、 最終塗装後の外観に影響を与え る。 上層めつ き は こ の よ う な塗装欠陥の発生を防止 し、 めっ き鋼板の塗装適合性を高め る。 塗装適合性を向上 さ せる には上層めつ き を α 単相 と する こ と が好ま し く 、 F e 系めつ き では、 F e 含有量がほぼ 5 0 %以上で ひ 単相 と なる。
[0050] ま た、 上層めつ き の付着量が 2 g Z m 2未満では塗装 適合性の改善が十分ではない。 ま た、 こ のめつ き付着量 に特に上限はないが、 コ ス ト 面カゝ ら 5 g m 2以下 と す る こ と が好ま しい。 本発明の よ う に溶融めつ き後の加熱 を高周波誘導加熱で行 う と 、 めっ き表面が酸化 されない ため、 合金化めつ き層上に上層めつ き を適切に付着させ る こ と ができ 、 こ のためガス加熱で合金化処理 した場合 に較べ上層めつ き の付着量を少な く する こ と ができ る。 実施例
[0051] 本発明の実施例を表 1 ない し表 4 に示す。
[0052] こ の実施例では、 A 1 キル ド鋼 ( 0 . 0 3 % C — 0 . 0 2 % S o l . A 1 ) 、 T i 添加 I F鋼 ( 0 . 0 0 2 5 % C — 0 , 0 4 % S ο 1 . A 1 - 0 . 0 7 % Τ i ) か ら 製造された冷延鋼板を素材と し、 表 1 およ _ぴ表 2 に示さ れる条件で溶融亜鉛めつ き 、 加熱処理、 さ ら に一部につ いて上層めつ き を行っ た。 また、 上記加熱処理はガス加 熱方式および高周波誘導加熱方式を用いた。 得られた合 金化溶融亜鉛めつ き鋼板の耐パ ゥ ダリ ング性、 プ レス成 形性および塗装密着性を表 3 および表 4 に示す。
[0053] 本実施例において、 鋼板のめっ き浴中への侵入温度は 放射型温度計で測定した浸漬直前の鋼板の表面温度であ る。 また、 加熟炉出側の板温は放射型温度計で測定 した 鋼板の表面温度である。
[0054] また、 めっ き浴中 A 1 量は下式に定義される有効 A 1 濃度である。
[0055] 〔有効 A 1濃度〕=〔浴中全 A 1濃度〕一〔浴中鉄濃度〕+0.03 皮膜中 F e %は浴条件、 加熱条件およ び冷却条件に依 存する。 冷却条件は本発明の特徴の一つであ る皮膜構造 のマク 口 或いは ミ ク 口 な均一性にほ と ん ど影響を及ぼ さ ないが、 合金化度 (皮膜中 F e % ) を変化 させる こ と に ょ リ 特性に影響を及ぼす。 したがっ て、 本実施例では冷 却用のブロ アの風量、 ミ ス 卜 の量を調整 し、 皮膜中の F e %を制御 した。
[0056] ま た、 各特性に関する試験、 評価方法は以下の通 リ で ある。
[0057] 〇製品皮膜中 ζ 相の量 :
[0058] 得 られた皮膜を X線回折 し、 ζ 相については d = 1 . 9 0 0 の ピ一 ク 強度 1 【421〕 を、 ま た 0 1相に ついては d = l . 9 9 0 の ピ一 ク 強度 1 6 1249) を それぞれ取 リ 、 下式で示すピー ク 強度比を も っ て皮 膜中の ζ 相の量を表 した。 なお、 I B eはバ ッ ク ダラ ン ドであ リ 、 Z Z D が 2 0 以下な ら ば実質的に ζ 相 は存在 しない。
[0059] Z/D = ( I ζ [421 ) - I Be) / ( I δ 1【249〕 - I BG) X 100
[0060] 〇耐パ ゥ ダ リ ング性 :
[0061] 試験片に防鲭油 (パー カ ー興産 (株) 製ノ ッ ク ス ラ ス ト 5 3 O F ) を l g Zm2塗布 した後、 ビ一 ド半 径 R : 0 . 5 m m、 押 し付け荷重 P : 5 0 0 k g 、 押 し込み深さ h : 4 m inでビ一 ド引 き抜き試験を行 い、 テープ剥離後、 成形前後の重量変化から剥離量 を算出 した。 なお、 表中の数値は複数の測定値 ( 5 X 5 = 2 5 個) の平均値である。
[0062] 〇耐パゥダ リ ング性の板幅方向最大偏差 :
[0063] 操業条件が安定 した箇所で、 コ イ ル長さ方向 5 点、 コ イ ル幅方向 5 点 (両エ ッ ジ、 1 ノ 4 の位置および セ ンタ ー部) で上記耐パウ ダ リ ング性をそれぞれ測 定し、 最大値と最小値の差を と つ た。
[0064] 〇摩擦係数 :
[0065] 試験片に防锖油 (パーカ ー興産 (株) 製ノ ッ ク ス ラ ス ト 5 3 O F ) を l g Zm2塗布 した後、 工具銅 S K D 1 1 製の圧子を荷重 4 0 0 k g で押 し付け、 1 m /m i n の引 き抜き速度で引 き抜き を行い、 引 き 抜き荷重と押 し付け荷重と の比を摩擦係数と した。 なお、 表中の数値は複数の測定値 ( 5 X 5 = 2 5 個) の平均値である。
[0066] 〇摩擦係数の板幅方向最大偏差 :
[0067] 耐パ ゥ ダ リ ング性と 同一箇所で摩擦係数をそれぞ れ測定し、 最大値と最小値の差を と つ た。 1
[0068] 表において、 比較例 1 およ び比較例 2 は侵入板温高過 ぎる ため浴中で ζ 相が生 じ、 摩擦特性が悪い。 ま た、 比 較例 3 は侵入板温が低いため、 浴中で F e 2 A 1 5が不均 —に形成 され、 合金化が ミ ク ロ 的に不均一化 し、 耐パ ゥ ダ リ ング性が悪い。 比較例 4 は高周波誘導加熱での加熱 温度が低過ぎる ため製品皮膜中に ζ 相が形成 され、 摩擦 特性が悪い。 比較例 5 およ び比較例 1 0 は高周波誘導加 熱での加熱温度が高過ぎる ため Γ相が形成 され、 耐パ ゥ ダ リ ング性が悪い。
[0069] 比較例 6 〜比較例 8 は加熱をガス加熱で行なっ た例で ぁ リ 、 こ の う ち加熱温度が高めの比較例 6 では、 焼き ム ラ によ リ 部分的に Γ相が形成 され、 耐パ ゥ ダ リ ング性が 悪 く 、 また、 摩擦特性も板幅方向でバラ ツキがあ る。 ま た、 これよ リ 加熱温度が低めの比較例 7 、 比較例 8 では、 焼き ム ラ に よ リ 部分的に ζ 相が残留 し、 耐パ ゥ ダ リ ン グ 性、 摩擦特性 と も に劣っ てぉ リ 、 ま た、 板幅方向で も大 き なバラ ツ キを生 じている。
[0070] 比較例 9 は上層めつ き の付着量に関する比較例である。 表 1
[0071] 00
[0072] * 1 鋼種 A : Alキルド鋼 , 鋼種 Β i添加 I F鋼
[0073] * 2 Z/D: 20以下は 相無し
[0074] 表 2
[0075]
[0076] * 1 鋼種 A : A Iキルド鋼 , 鋼種 B i 添加 鋼 * 2 Z/D: 2 0以下は 相無し
[0077] 表 3
[0078] Γ0 CD
[0079]
[0080] * 1 良好レベル: 6 g/m2以下 (at 目付量: 60g/m2) * 3 良好レベル: 0. 1 4以下
[0081] * 2 良好レベル : 0.3g/m2以下 * 4 良好レベル: 0.003以下
[0082] 表 4
[0083]
[0084] * 1 良好レベル: 6 g/m2以下 (at 目付量 : 60{|/m2) * 2 良好レベル: O. S g Zm2以下 * 3 良好レベル 上層めつき無: 0. 14以下 * 4 良好レベル: 0.003以下 上層めつき有: 0. 13以下
权利要求:
Claims

請求の範囲
1. A 1 を含有し、 残部 Z n および不可避的不純物から なる亜鉛めつ き浴でめっ き を施 した後、 目付量調整を 行い、 加熱炉で皮膜中の F e 含有量が 8 〜 1 2 % と な る よ う に合金化処理を行 う 合金化溶融亜鉛めつ き鋼板 の製造方法において、 浴中 A 1 量 : 0 . 0 5 %以上、 0 . 1 3 %未満、 浴温度 : 4 6 0 ^以下で、 且つ、 浴 中 A 1 量と鋼板のめっ き浴中への侵入板温と が、 437.5 X 〔A 1 %〕 +428> T≥437.5 X CA 1 %) +408
但し、 〔A 1 %〕 :浴中 A I量 (%)
T :侵入板温 (
を満足する条件でめっ き を行 う こ と によ リ 、 浴中で F e — Z n 合金化.反応を抑制 し、 めっ き後、 高周波誘導 加熱炉で加熱伊出側の板温が 4 9 5 ¾超〜 5 2 Ο ΐ と なる よ う に加熱 し、 所定時間保持後冷却する こ と を特 徴とするプ レス成形性および耐パゥダ リ ング性の優れ た合金化溶融亜鉛めつ き鋼板の製造方法。
2. A 1 を含有 し、 残部 Z n および不可避的不純物か ら なる亜鉛めつ き浴でめっ き を施 した後、 目 付量調整を 行い、 加熱炉で皮膜中の F e 含有量が 8 ~ 1 2 % と な る よ う に合金化処理を行 う 合金化溶融亜鉛めつ き鋼板 の製造方法において、 浴中 A 1 量 : 0 . 0 5 %以上、 0 . 1 3 %未満、 浴温度 : 4 6 0 ^以下で、 且つ、 浴 中 A 1 量と鋼板のめっ き浴中への侵入板温 と が、
437.5 X 〔A 1 %〕 + 428 > T≥ 437.5 X 〔A 1 %〕 +408
但し、 〔A 1 %〕 :浴中 A 1量 (%)
T :侵入板温 (^) を満足する条件でめっ き を行 う こ と に よ リ 、 浴中で F e — Z n 合金化反応を抑制 し、 めっ き後、 高周波誘導 加熱炉で加熱炉出側の板温が 4 9 5 で超〜 5 2 0 で と なる よ う に加熱 し、 所定時間保持後冷却 し、 次いで、 上層めつ き と して F e 含有量が 5 0 %以上の F e 系め つ き を 2 g Z m2以上施すこ と を特徴 と する プ レス成 形性およ び耐パ ウ ダ リ ング性の優れた合金化溶融亜鉛 めつ き鋼板の製造方法。
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